基板実装の部品調達ができるメーカーおすすめ3選

基板実装において重要となるのが、部品調達を含めた一貫対応が可能なメーカーの存在です。電子機器の小型化や多機能化が進むなか、必要な部品を迅速かつ確実に調達できることは、生産の安定性や品質確保、さらには部品在庫のコスト削減に直結します。この記事では、そんな調達の手間を減らしたい方に向けて部品調達を強みとする基板実装メーカーを紹介します。

試作基板.com（マツイ電子株式会社）

基板の試作から実装までを依頼する際に、多くの担当者が悩むのが部品の調達です。必要な部品をひとつずつ揃える作業は手間がかかるだけでなく、少量発注ではコストも膨らみがちです。

そんな課題に応えているのが、マツイ電子が運営する「試作基板.com」です。もっとも得意とする試作実装を中心に、設計から部品調達、基板実装までを一貫して任せられるのが大きな特徴です。

一貫対応の中で部品調達もおまかせできる

マツイ電子は基板実装を主軸に30年以上の実績があり、大手メーカーはもちろん、設計会社などの幅広い顧客から試作依頼を受けています。イニシャル費用が不要なため、試作基板は従来に比べて30％以上安価に提供可能であり、部品調達も依頼できます。

また、少量や特殊な案件には手作業による「手半田実装」や「手載せ実装」を、リール供給が中心の案件にはマウンタを用いた実装など、多様な実装方法も選択可能です。

さらに、チップ抵抗やコンデンサといった標準部品を無償で提供している点も魅力です。これらは少量多品種での購入が割高になりやすい部品ですが、マツイ電子は常備在庫を抱えているため、手間を省きながらコスト削減ができます。

部品表だけでかんたん依頼

試作基板.com（マツイ電子）での依頼の際には、生基板、部品、部品表、実装図、部品座標データ、そしてメタルマスクまたはガーバーデータが必要です。部品については調達も可能なため、初めて利用する場合でも迷うことなく準備を進められます。

株式会社相信

相信は、1978年の設立以来、プリント基板の実装や電子部品の調達に強みをもち、資材・購買業務まで幅広く対応してきた基板実装メーカーです。基板を製作するだけでなく、入手性や継続性、代替品の有無などの幅広い情報を調査し、柔軟な部品調達を受けられるのが大きな魅力です。

独自の調達力が強み

相信の強みは、長年培ってきた独自の調達力にあります。これまでに構築してきた取引先は372社におよび、国内外に広がるネットワークを活用して、入手困難な部品であっても探し出せます。

また、社内にはチップ抵抗やコンデンサ、IC、コネクタ、ダイオード、インダクタといった標準的な実装部品を在庫として常備しているので、急ぎのスケジュールにも応えられるのが魅力です。

「必要なとき必要なだけ」を原則に用意

調達の際は、独自ルートを駆使して、最適な条件で部品を確保しています。通常、必要数量だけを仕入れると価格は割高になりがちですが、相信は国内外のネットワークを活かし、まとまった数量を調達することで仕入れコストを抑えています。

標準的なICやコネクタなどは一通り在庫として保有しているため、安定供給を実現できるのが強みです。また、入手難や廃止が予定されている部品については、互換品や代替品の提案により、早期にリスクを回避します。

株式会社ピーハンドットコム

プリント基板のネット通販市場で地位を築いているのが、ピーハンドットコムが運営する「P板.com」です。業界に先駆け、インターネットでプリント基板の設計から製造、実装までを一貫して提供するサービスを確立し、現在の取引実績は2万9,000社を超えるほどです。

部品の調達は1個からでも可

P板.comでは、必要な部品をたとえ1個からでも調達できるのが大きな特徴です。専任スタッフが部品調達を担当するため、複数の商社に依頼する手間を省けるだけでなく、最安値を意識した一括見積りを提示してくれます。

また、膨大な部品リストの変換も専用システムでかんたんに実施できるため、手間のかかる形式変換や入力作業も不要です。さらに、効率的な異種面付工法を採用することで、従来かかっていたイニシャル費用を完全に無料化。研究や開発の初期段階におけるコスト負担を大幅に軽減しています。

部品実装への移行もスムーズ

調達した部品は、そのまま実装工場に自動的に振り分けられるので、実装工程への移行もスムーズです。進捗状況も一元管理できるため、管理負担が軽減され、請求処理もまとめて実施できます。さらに、品質管理の徹底も強みのひとつです。

基板製造工場はすべてUL認定やISO9001・ISO14001に準拠しており、日本本社と工場の双方でダブルチェック体制を敷くことで、製造トラブルを未然に防止しています。

一方、対応できる基板は、一般的な多層基板から、放熱性が求められる大電流メタル基板、厚銅基板、さらにはビルドアップ工法やフィルドVIAまで、幅広い仕様に対応しています。自社で製造設備を抱えないファブレス体制だからこそ、世界中から最適な協力工場を選び、顧客の要望に合致する基板を提供可能です。

部品調達を外注することのメリット

電子機器の開発や製造において、基板部品の調達は避けて通れない重要な工程です。しかし、部品点数の多さや市場価格の変動、さらには納期の調整など、企業が自力で調達しようとすると膨大な手間とリスクをともないます。

とくに部品調達の遅れは製造全体の進行を直撃し、最終製品の市場投入時期を左右しかねません。こうした課題を克服するために注目されているのが、基盤実装メーカーに部品調達を外注するという方法です。外部の専門家に依頼することで得られるメリットは多く、開発の効率化とリスク低減に大きく寄与するでしょう。

業務効率化

基板実装メーカーは、設計から調達、試作、量産、さらにはアフターサポートまで一貫した体制を整えている場合が多く、依頼側は工程ごとに別々の業者とやり取りをする必要がありません。ワンストップで依頼できることにより、調達管理に割く時間や人的コストを削減し、開発部門はコア業務に集中できます。

最適な部品選定

市場には、同じ機能でありながら価格や性能、入手性が異なる部品が数多く存在します。基板実装メーカーは、長年の経験とサプライヤーネットワークを駆使し、コストと品質、納期を総合的に判断して最適な部品を提案可能です。これにより、開発企業は不必要な在庫リスクを抱えることなく、安定した製品設計を進められます。

安定供給できる

調達先を一社に頼るのではなく、複数のサプライヤーとのネットワークがあれば、市場の変動や供給不足といったリスクを最小化できます。これにより、急な部品不足による生産停止を回避できます。

品質管理の徹底

信頼できる基板実装メーカーは、ISO規格に準拠した管理体制を導入し、製品に応じた検査基準を設けています。必要に応じて全数検査やサンプリング検査を実施するなど、柔軟に対応しながら高品質を担保する仕組みが整っているため、完成品の信頼性を高められるでしょう。

リアルタイムでの納期管理

専用の管理システムが導入されている会社では、調達状況をリアルタイムで把握でき、遅延が生じそうな場合には即座に対応できるメリットがあります。自社だけで調達を進めるよりもリスクを早期に察知しやすく、製造ラインへの影響を最小限に抑えられます。

コスト削減効果

量産効果を活かした仕入れ、代替部品の提案、長期的な契約による価格交渉など、さまざまな戦略を駆使してコストを抑えられます。中には一部の部品を無償で調達してくれる企業もあり、実装にかかる総費用をさらに低減できるケースもあります。

まとめ

基板実装における部品調達は、製品の品質や納期を左右する重要な工程です。部品調達に対応できるメーカーを選ぶことで、信頼性の高いサプライチェーンを構築でき、急な仕様変更や調達難にも柔軟に対応できます。さらに、一貫した管理体制によりコスト削減や納期短縮も期待できるため、開発から量産までをスムーズに進めたい企業にとって大きな利点となるでしょう。