
電子機器の試作や開発において、専門業者へ基板実装を依頼する際、必要な部品を自社で用意する場合があります。しかし、部品の種類や提供方法のルールを知らないと、思わぬ手配ミスで余分なコストや納期遅延が発生してしまう可能性があります。そこで、今回はスムーズな外注をするために、支給部品の基本的な知識と注意点について解説します。
部品を自社で用意する人は要注意!
基板実装を外部の専門業者に依頼する方法には、2つのパターンがあります。ひとつは、実装に必要なすべての部品の調達から業者に任せる方法、もうひとつが、依頼元が自社で部品を用意して業者に提供する方法です。支給部品を用意するメリットは、調達コストを抑えられたり、特定のサプライヤーから入手したい部品を使用できたりすることです。
しかし、適切なルールに基づいて支給しなければ、実装作業に支障をきたし、逆にコスト増や納期の遅延を招くことになります。手配ミスをなくし、外注をスムーズに進めるためには、支給に関するルールを事前にしっかりと理解しておくことが大切です。
支給部品の種類とルール
自社で部品を用意する支給部品には、いくつかの種類とルールがあります。事前に把握しておくことで、スムーズな実装作業とコスト削減が期待できるでしょう。まず、表面実装部品は、リールもしくはカットリールで提供する必要があります。挿入部品はバラ品でも支給は可能ですが、輸送中に足が曲がるリスクがあります。リールカットやトレイに乗った状態で支給することで部品の損傷を防ぎ、実装をスムーズに進められるでしょう。
そして、支給する部品は、それぞれ個別の袋に入れ、部品リファレンス(部品の種類を特定する記号)と個数を明記することが大切です。
さらに、部品一覧表と実装図を同梱することで、実装業者の作業効率が向上するでしょう。また、予備部品の数量も重要です。実装機のキャッチミスや不良部品を考慮し、必要な数量よりも多めに用意する必要があります。
一般的には、リール長で2cm以上、もしくは部品のサイズによって目安となる個数を準備します。支給部品のルールを守ることで、再手配の手間とコストを削減し、スムーズな納品を実現できることでしょう。